技術解説集
技術的な専門用語の解説を収録。お役に立ててください。
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電力増幅部
- ◎線形電力増幅
- 変化特性が直線性を保った増幅回路設計。
- ◎ALC [Automatic Level Control]
- 空中線端より送出される電波の電界Levelを一定に保つ機能。
- ◎APC [Automatic Power Control] ≒ALC
- 無線機の回路において送信電力をある一定の電力に保つ機能。
- ◎リニアライザ
- 変化特性が直線的でない領域を直線化(リニアライズ)する機能。
- ◎高効率化
- 電力増幅回路の効率改善設計。(エンベロープ・トラッキング、リニアライザ等)
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フロントエンド
- ◎低雑音増幅
- 受信信号入力を低雑音・高利得で伝達する機能。
- ◎チューナブルBPF
- 周波数帯を任意に可変可能なバンドパスフィルタ。
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シンセサイザ
- ◎低位相雑音
- 周波数合成及び発振器の位相合成を行い、高精度・低Noiseを実現。
- ◎高速ロック
- PLL(Phase Locked Loop)回路による高速周波数Lock機能。
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IF処理(中間周波数処理)
- ◎AFC [Automatic Frequency Control]
- 自動周波数制御。周波数の微小なズレ成分に追従し、周波数を一定に保つ機能。
- ◎AGC [Automatic Gain Control]
- 自動利得制御。Next Stageの復調部にて復調可能なLevelとなるよう信号Levelを一定に保つ機能。
- ◎スーパーヘテロダイン方式
- 受信した電波を中間周波数に変換する方式。
- ◎ダイレクト方式
- 受信時は、電波を直接ベースバンド信号に変換し、送信時はベースバンド信号を直接電波(RF)に変換する方式。
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ベースバンド処理(その1)
ダイバーシティ
無線通信において、複数のアンテナで信号を受信することでフェージングの影響を避け、送受信の質を高める技術。
- ◎最大比合成方式
- 複数のアンテナの間隔を適切に離し、電波を拾ったアンテナ同士の位相を合わせて合成する方式。
- ◎アンテナ選択方式
- 複数のアンテナにて電波を受信し、強い電波を受信しているアンテナを選択する方式。
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ベースバンド処理(その2)
変復調
搬送波(キャリア)に情報を載せることを変調と言うが、これは情報周波数帯域を搬送周波数帯域に移すことで、搬送波の振幅・周波数・位相のいずれかのパラメータを情報信号に従い変化させる操作である。デジタル変復調は、情報周波数帯域信号がデジタル信号になり扱う信号の性質を現している。デジタル変復調は、雑音に強く、エラー訂正、データ圧縮、狭帯域化、多重化などのデジタル処理を可能にすることに大きな特徴がある。
- ◎ASK [Amplitude Shift Keying]
- ASKは、実際の無線通信にあまり用いられることはありませんが、一番簡単なデジタル変調方式です。この変調方式は、入力波形(ベースバンド波形)に応じて、搬送波を断続(振幅変化でも構わない)するような操作を行います。これは例えると無線でのモールス通信に似ている、と言えるでしょう。
- ◎FSK [Frequency Shift Keying]
- FSKは、ベースバンド波形(0と1)に応じて搬送波周波数を、変化させる変調方式です。この変調方式は、入力波形(ベースバンド波形)に応じて、搬送波周波数を変化させる、という意味においてはアナログ変調での FM に類似する概念といえます。
- ◎PSK [Phase Shift Keying]
- PSKは搬送波の位相をある決まった位置で、変化させる変調方式です。この変調方式は、入力波形(ベースバンド波形)に応じて(0・1 の変化点)、搬送波の位相の変化させることで実現します。
- ◎QAM [Quadrature Amplitude Moduiation]
- QAMは、振幅変調(AM)と位相変調(PM)を組み合わせたようなもので、振幅と位相の両方の要素を変化させること複数の情報を一度に伝達します。
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ベースバンド処理(その3)
フレーミング/マルチプルアクセス
複数のユーザや用途が無線通信路を同時に共有して、限られた周波数資源を有効に活用する技術である。
- ◎TDMA 時分割多元接続 [Time Division Multiple Access]
- 通信を行う搬送波をタイムスロットと呼ばれる一定の極めて短い時間周期に分割し、利用ごとに異なるタイムスロットを割り当てることで、複数の通信を同時に行えるようにする。
- ◎FDMA 周波数分割多元接続 [Frequency Division Multiple Access]
- 同一周波数帯を複数の帯域に分割し、利用者ごとに異なる搬送波を使用して同時に通信を行う。
- ◎OFDM 直交周波数分割多重 [Orthogonal Frequency Division Multiplexing]
- 使用する周波数帯域内を細かく分割し、周波数の異なる搬送波にデータを乗せて伝送する方式である。これにより、ノイズの多い波長域が存在しても全体の通信に影響を及ぼさず、その帯域だけを避けてデータ伝送を行なうことができる。代表的なものは、地上波デジタル放送である。
- ◎CDMA-FH 符号分割多重接続 [Code Division Multiple Access - Frequency Hopping]
- 複数の利用者の信号にそれぞれ異なる符号を割り当てて合成し、同一周波数帯を共有して同時に通信を行う。信号スペクトルの周波数を切り替えて伝送することで、スペクトルをより広い帯域へ広げて拡散させる。
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ベースバンド処理(その4)
誤り検出訂正
無線伝送路では、フェージングや熱雑音によって大きな誤りが受信データに発生する。変調器で誤り訂正符号を事前に適用して、受信側で誤りを訂正することにより、音声や画像などのリアルタイム伝送が可能になります。誤り訂正は、大きく分けてブロック符号と畳み込み符号の二つに分類され、代表的なものを以下に示す。

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ベースバンド処理(その5)
音声符号化
音声符号化は、音声の性質を使ってデータ圧縮を行うことが特徴で、音楽などの一般的なオーディオ信号を対象とするMP3などのオーディオ圧縮技術は、人間の聴覚心理学上の特性やデータの冗長性を利用して不用なデータを除去を行うが、音声符号化ではそれに加えて音声固有のモデル化を行うことが出来るため、さらにビットレートを下げることが可能である。音声符号化は、音声波形を忠実に量子化して伝送する波形符号化、音源と声道からなる音声合成モデルのパラメータを入力音声から抽出し伝送し受信側でモデルに従い合成するスペクトル符号化、波形符号化とスペクトル符号化の両者の利点を取り入れ音声合成モデルを有し音源モデル等のパラメータは波形領域の距離尺度を用いて決定するハイブリッド符号化に大別される。
当社は、市場またはお客様から提供されるモジュールを無線機器に組み込むことにより、無線システムを実現している。